さて。
更新が開いてしまった・・・。
身内の不幸があったり、熊本で震災があったり(熊本には兄弟と親戚がいる)ですっかりパソコンから遠ざかった先週でした。
ほんま、大好きなTwitterすら開く気になれないという・・・。
今回の震災で被害に遭われた方々へ、心よりお見舞い申し上げます。
また、亡くなられた方々へ謹んで哀悼の意を捧げます。
どうか踏ん張ってください、たくさんの支援の手がついています。
避難所生活が早く終わりますように、救助物質が行き渡りますように。心より祈っています。
* * * * *
そして。
今朝のこと。
「おとーちゃん、今日本山行ってくるき」
「え?何しに?」
「私がファンでずっと読みゆうウェブマガジンの方々が本山においでちゅうがって」
「ほぅ」
「ほんで、どう行ったらえいろう?」
「そらお前、高速乗って大豊で降りて、信号左折したら後は真っ直ぐよ」
「どればぁかかるろ」
「一時間半みちょったら大丈夫やないろうかね。息子連れていくがやろ?気をつけないかんで」
という会話をした二時間後、私は息子を車に乗せ、土佐町に向けて出発しました。
「灯台もと暮らし」さんが高知にやってくる!
「灯台もと暮らし」さんは、以前「「もとの暮らし」に戻る道を照らしてくれる。「灯台もと暮らし」」でも書いたけど、そこに住む方々の暮らしを丁寧に取材し、伝えてくれるWebメディア。
現在、「会いたいひとが暮らす町【高知県嶺北・土佐町】特集、はじめます。」という特集で高知を取り上げてくださっています。
私は高知市内に住んでいるけど、同じ県内を取材してもらえるのは本当に嬉しくて、連載を毎回とても楽しみにしている。
そもそもは、昨日Twitterで「【高知県嶺北地域】に再び舞い降りた!」というnoteの記事を見つけたことが始まりだった。
おぉぉ、ライターの立花さんにくいしんさんもいらっしゃる!щ(▼ロ▼щ)
むぅ、行きたい。お会いしたい。
が、いきなりじゃぁ当然ご迷惑だし、取材の邪魔なんてもってのほか。そもそも、どちらを回られるのか当然ながら分かるはずもなく。
・・・・・。
よっし行こう(大馬鹿)。
遠目から拝見出来ればいい、もし機会があればお土産だけでも渡せればいい、とにかく邪魔をしないこと、これを目標に。
本当は、あらかじめきちんとアポイントメントをとってお伺いするのが社会人としての筋で・・・
・・・社会人失格です、はい orz
ともあれ、自分の支度と息子の準備を済ませると、一路嶺北へ、車を走らせました。
土佐町役場の職員の方に救われる・・・

嶺北地区、土佐町には「早明浦ダム」があって、若い頃はドライブがてらよく来ていた。
あの頃は、高速を使うよりも国道をのんびり走る方が好きで、川沿いの山や空を楽しみながらのドライブだった。
高知市内を離れると、途端に自然が豊富になる高知県。窓を開けて走ると風が気持ちがいいのだよ。
今回は一歳四ヶ月の息子がいるので高速を使ったけど、大豊インターを降りるといきなりの山、あぁ久しぶりだなぁ、と綺麗な空気を胸いっぱいに吸い込みました。
平日の午前中のせいか、国道を走る車はあまりいない。ゆっくりしたペースで車を走らせ、後続車が見えると左に寄って先に行ってもらい、景色を楽しみました。
・・・ほんま久しぶり。
妊娠中も、出産後も、何だかんだで日常はバタバタしていて、こうしてのんびり山道をドライブすることなんて、なかったなぁ。
高知の山ってこんな綺麗だったっけ・・・。
空が青い。
市内は初夏くらいの暑さを感じるのに、山道に入った途端に下がる温度、あぁまだこっちは春のはじめだなぁ、と改めて思う。
そして、何とか土佐町役場へ到着。
林業の盛んな土佐町らしく、木造の綺麗な庁舎。まだ新しい。駐車場も広い。
移住関係は産業振興課だったはず、と思って息子を抱っこし窓口へ。
そこで見つけたこの冊子。

「土佐町で暮らす」は、「灯台もと暮らし」の方々が手がけた移住促進のパンフレット。
土佐町へ移住されてきた方や、地元の方々の活動が紹介されています。
「れいほく田舎暮らしネットワーク」の活動を紹介するページにある、
「土佐町は、地元の人々が若者を応援してくれる雰囲気があるのに加えて、”人材は宝”という意識がもともと強い」と川村さんが話すように、子育て環境がよいのもこのまちの特徴だ。
という言葉が力強い。
街なかを走っていて、ベビーカーを引いた若いお母さんとおばぁちゃんが一緒に歩道を歩く姿なんかを目にすると、子どもにとって良い環境なんだろうな、と自然に思える。
で。
これを手にしたまま、若い男性の職員さんに
「あのぅ、昨日からこちらの土佐町に「灯台もと暮らし」というメディアの方々がいらっしゃっていると思うのですが・・・」
と話しかける。
すると、「担当に話してみますので、お待ちくださいね」と笑顔で対応してくださった。
・・・いきなり来てしもうてほんまにすみませんすみません。
しばらく待つと、今度は女性の職員さんが来てくださり、迷惑そうな顔ひとつせず、
「今日のスケジュールなど同行している者に確認しますね、かけてお待ちください」
と廊下に設置してあるベンチ(壁に作り付けてあってゆったり座れる)に案内してくださった。
・・・アポもなしにいきなり押しかけてなぁ、仕事の邪魔して迷惑だよなぁ・・・。
と改めて自分の非常識さにヘコむ orz
何処にいるかだけでも分かればいい、遠くからでも拝見出来ればいい。そう思ってはいるけど、職員の方にすれば「ファンが一方的に押しかけてきて現場の邪魔をしようとしてる」ふうにしか見えんよな・・・。
案の定、戻ってきた職員さんは
「現在取材中でして・・・その、お会い出来るかどうかは許可をとってみないと・・・」
と若干戸惑い気味に答えてくださった。
いえいえ滅相もない、本当なら自分でアポイントメントをとってお伺いするのが筋、今日はひょっとお見かけ出来ればえいと思うて来たがです、ご迷惑をおかけして本当に申し訳ありません!と平謝りでした。
ほんま恥ずかしい orz
「お昼には連絡がつきますが、それまでお待ちいただけたら良いのですが・・・。それか、良ければ連絡先をお聞きして構わなければ連絡がつき次第お電話しますが」
と恐らく小さな子どもを連れていることを気遣ってくださる様子に、こちらが恐縮しきりだった。
お昼を挟んでの滞在となるとさすがに朝寝も出来てない息子の調子が心配で、今日はこのまま諦めることにしました。
念のため、名前と連絡先をお伝えしたけど、女性の職員さんの、丁寧な対応に救われた気持ちでした。
とりあえず滞在中のスケジュールをお聞きすることも出来たので、夫と日程の相談をして今度はしっかり予定を立てようと思いました。
行き当たりばったりも、こうして他の方を巻き込むのは駄目、絶対。
高知市内から来たんです、と言うと、「ここは市内に比べたらなんちゃないとこですけどね」と答えてくださる笑顔が素敵で、「いえ、ここは市内にないもんがあります」と私もしっかり口にしてしまった。
本当にね、これだけ山や川に囲まれて、国道から少し入ったところには木造の新しい綺麗な住宅がいくつも並んでいて、若い人もいて、何より役場の方々もこうして心優しい対応をしてくださって。
土佐町だって、良いところ。
「灯台もと暮らし」で特集が始まってから、また行きたいな、と思っていたけど、今日こんな機会に恵まれたことに感謝です。
「人」があったかい街

職員の方にお礼を言って役場を後にし、その足ですぐ近くにある「道の駅 さめうら」へ。
本当は「ぽっちり堂」に行きたかったんだけど、現在カフェはお休みされているとのことで、夫へのお土産を買いに寄ってみた。
「『ぽっちり堂』は現在カフェはお休みしていますけど、道の駅さめうらにお菓子置いてますよ、こちらの方が近いし」
と先ほどの職員の方に教えていただいた。本当にありがとうございます!
ゆっくり見たかったので息子をベビーカーに乗せて入ったんだけど、店内には年配の女性の方が数人商品を見ていらした。
レジに並んだ皆さんの隣でお菓子を物色していたんだけど、ひとりの女性が「あら、かわいいねぇ。こんにちは」とベビーカーの息子に話しかけてくださった。
おはようございます、と息子の代わりに挨拶しながら、しばらくお喋り。
うちの息子は色白で、今もしょっちゅう女の子に間違われるんだけど、「男の子でね?」「まームチムチ!」と息子をあやしてくださるのが嬉しい。
息子もにこっと笑顔を作り、笑ってくれた~とそれを見てまた皆で笑い合うのが楽しくて、あぁこんな時間もいいなぁ、としみじみ。
「触ってもかまん?」と訊かれたので「全然かまんです!」と全力で答えてしまった。
ほっぺたをすりすりされて、きゃーっとはしゃぐ息子の姿も幸せ。
・・・「人」がね、あったかいって、こういうことだよね。
人が笑顔で繋がる時間って、ほんま素敵だよね。
会計を済ませた皆さんがそれじゃぁね、ありがとうね、と手を振って店内を出ていってから、本当にちょっと泣きそうになってしまった。
夫へのお土産に無事「ぽっちり堂」のお菓子も買い、現在やりやせんと分かっていても写真を撮りたくて結局お店まで向かい、入り口の看板をカメラに収めました。
「癒やし」をいただいた時間
結局、「灯台もと暮らし」さんの追っかけは失敗だった。← 当たり前。
が。
出発する時は考えもしなかった大きな「癒やし」を、たくさんいただいた時間でした。
それは、人であったり自然であったり、物であったり。
若いころはこんなこと考えもしなかった。ただ遊びに来て、ただ帰るだけだった。
年をとって、子どもが出来て、これからの生き方としてライターになりたいとか、地方創生とか、そういうことを真剣に考えだした今だからこその発見かもしれない。
行って良かったな。いや、ご迷惑をおかけしたことは真摯に悔い改めないかんけど。
「灯台もと暮らし」さんがおいでてくださって、またこうして新しい気持ちで、自分の住んでいる「場」のことを考えることが出来る。
幸せなことやと思います。
土佐町役場の方々、本当にごめんなさいでした。対応していただき本当にありがとうございました。
次もまた、嬉しい発見がありますように。
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