自信がないから「リアルじゃない恋」をしてしまう男の気持ち

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そこそこ長い付き合いになる男友達がいるんだけど、彼はもう何年も、片想いをしている。

相手は、常に遠慮のない笑顔で接しながらも相手を気遣い、いるだけで周りが明るくなるような女性で、ファンから本気で好きになる人から後を絶たず、文字通り「高嶺の花」。

同性の私から見ても、どんな相手でも嫌な顔ひとつせず相手に目線を合わせておしゃべりしているその姿は、本当に素敵だしカッコいいといつも思う。私も尊敬している。

自分に厳しく、マナーを重んじて、でもお茶目な一面を垣間見せる時もあって、そういう「ギャップ」にも萌え・・・・・うん。

だから、その友達が好きになる気持ちもよく分かるし、彼は彼でその方と個人的なつながりをいっとき持ってしまったものだから、余計に「魅了」されていた。

「自分しか知らない顔」「ほかの人には見せない顔」を把握しているという優越感は、恋愛感情を加速させるに十分な理由となる。相手が人気者であればあるほど。

「障子紙一枚くらいの薄い縁でもいい。あの人の人生に関わっていると思うだけで幸せ」

私は彼が熱っぽく潤んだ瞳でその方のことを語る姿を何度も見てきて、「こんなに好きになれるっていいなぁ」と思っていた。

・・・と同時に、この恋が成就する日が来るのかどうか、その厳しい現実もまた、考えずにはいられなかった。

 

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自信がないから「リアルじゃない恋愛」をしてしまう

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そんな彼も独身のままアラフォーに差し掛かり、「婚活」という言葉が頭をよぎりだしたのだそうだ。

さすがに叶わない片想いにこれ以上時間を費やすのはマズいと思ったらしく、婚活サイトに登録したり、出会いのパーティーを探したりと、その方以外の女性と接触する機会を増やそうとしているようだった。

それは良いことだと思った。もちろん片想いが悪いわけじゃないが、やはり、「現実」は見なければならない。

だが、見ていて何か違和感を覚えていた。

口では、このままだと一人の老後を迎えてしまう、孤独死は嫌だとか言いながら、数分後には

「でも俺みたいな稼ぎの低い男なんか」

「イケメンじゃないし背も低いし」

「夜勤もある仕事だし」

と、とにかく自分のことを低く見積もるのだ。

彼は、恋愛に関して「成功経験」が圧倒的に少ない。手ひどくフラれるか、やんわりと断られるか、好きになったことはあってもまともに誰かと付き合った、といえる経験がない。

そのせいか、女性に対して見事に世の中の上っ面な情報そのままの見方をしていて、

「女は年収が600万ないとダメながやろ?」

「共働きじゃのうて専業主婦になりたいがやろ?」

と、こちらが閉口するような偏見を持っていた。

世の中そんな人ばっかりじゃないよ、共働きでもいい人もおるし、外見や肩書で決める人ばかりやないよ、と説明するんだけど、いかんせん自分に自信がないもんだから、婚活も最初から「俺なんて誰も相手にしない」と決めつけているのだ。

だったらやめればいいのに、と言うと、

「こんな俺でも市場価値があるのかどうか試してみたい」

などとさっきと逆のことを口にする。

要は怖いのだ。自分が世の中の女性に相手にされない現実を知っているから、後ろ向きな理由はたくさん出てくる。それでも一人は嫌だから、何とかしたい、という葛藤。

婚活に失敗しても、「ほらね、どうせ俺なんか」と言い訳できるように退路を残す。

最初から本気で取り組んでなどいない。そして叶わない片想いに逃げる。この人さえいればいい、と。

だが。

「あのよぉ、試してみるのはえいけんど、それならもっと真面目にやりや?自分を変える努力をせんと、そりゃモテることもないがやない?」

自信がないなら、どうして自分を変えようとしないのか。

どうして、「今のままの自分」を愛してくれる人を探そうとするのか。

人に好かれる努力もせずに、ありのままの自分を見てなんて、そんな都合のいい恋愛などあるものか。

つくづく思う。

自分に自信がないからこそ、手の届かない相手に本気で恋をするなどと非現実なことができるのだ。

リアルに苦しむことのない恋愛、ただ好きだと思うだけで満足する恋愛、常に一方通行で相手からのリアクションがなくても寂しさを感じない恋愛。

まさに「アイドルに恋している状態」。リアルでもなんでもない。

相手から反応があってそれに苦しんだり喜んだり、自分の気持ちを相手に伝えて心を通わせる、そんな当たり前の恋愛から逃げるのだ。

愛することも、愛されることも、現実を知らないから。

「ファンタジーながよね、自分でも分かってる。だからどこかでけじめをつけなきゃ・・・」

と言い訳がましい口調で言う彼から目をそらしながら、あぁこういう男が一生独身なんだろうなと、ふと思った。

 

自分が変わってこそ手にできるもの

2016101608

「人生は選択肢の連続」

というのは「銀魂」の中でも大好きなエピソードのタイトルなんだけど、本気で人生を変えたいと思ったら、自分で選択していくしかないのだ。新しい道を。今までと違うやり方を。

彼は、自分の意思で「婚活する」という道を選んだ。なら、次は「自分を変える」という扉を選べば、現実は色を変えて広がるはずなのだ。

もちろん「片想いを続ける」というカードだってある。それを選ぶことだって覚悟が要る。

それならそれで、ハラをくくって臨めばいいだけだ。

どの選択をしても、私が彼を応援する気持ちは変わらないのだから。

彼は、自分に自信を持てないことを自覚しているが、それを変えようとはしない。

都合よく現実から目をそらして、俺なんてと卑下することで自分を守り、理解のない周囲や世間をバカにする。

なら、そんなお前が大好きなあの方はどうなんだ。お前はどうしてあの人が好きなんだ。

お前と正反対に、真っ正面から現実と関わり、人と交わり、努力をし、今だって一生懸命に生きている。

あの姿を見てお前は何とも思わないのか。

お前の「恋愛」など。

ただの「憧れ」と同じだろう。

お前にとって都合のよい「好きな人」なだけだろう。

本気で人を好きになりたいなら、まず自分を変えろ。

自分で自分を愛せない人間が他人から愛されるはずがない。

それが出来ないなら一生ひとりで生きろ。

 

そう言って張り手ひとつかました火曜日の夜。

彼が、自分が変わってこそ手にできるものをいつか知ることを、心から祈っている。

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