「文章術」は誰から学ぶべきなのか

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さて。

たまに、ツイッターのDMで質問をいただくんだけど、これまで3回ほど訊かれたのが

「誰かのサロンに入っていますか?」

「おすすめのサロンがあれば教えてください」

というもの。

ほかにも「誰かに文章について教わったりしたんですか?」もあるんだけど、私の場合すべてNOになる。

文章を教えるサロンに入会したことはないし、特定の人に師事したこともない。

うーん、文章術ってあまり考えたことがないんだけど、誰から学ぶべきなんだろうね?

 

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サロンに入っても、最後は自分の力がものを言う

誤解のないように書いておくと、決して自分の文章に自信があるからサロンとかに目が向かなかったわけではありません。

2016年あたりは、クラウドソーシングの波が広がっていく中で「ランサーズで月収30万円以上稼いでいます」とか「認定ランサーになりました」とか「先行者」となる人たちが数多く登場した。

彼らの多くは決して最初から活躍の場を与えられていたわけではなく、「ランサーズ」や「クラウドワークス」を通して自力でのし上がっていった気概のある方々。当時は私も憧れていた。

そして、その知識と経験を活かして、いろいろな人が「文章を教えるサロン」を開いていた。

確かに、後発の人にとって先に成功している人の体験は大きな魅力になる。あの頃はツイッターでも同じようにクラウドソーシングを頑張っている人たちが次々と有名なワーカーさんのサロンに入会していって、すごい勢いだなぁと感じていた。

サロンっていいよね、知識が増えるだけじゃなくて横のつながりも出来るしね、ほんま切磋琢磨する良い場所だと思う。

ただ、私自身はそういうところに身を置くことはまったく考えなかった。

繰り返すけど「サロンに入らなくても書ける」と思っていたからじゃなくて、単純にそのときの私は「自分に足りないのは何か、何を学ぶべきか」がわかっていたから自力で実践していただけ。

クラウドソーシングサイトでの良い案件の見つけ方や採用される提案の仕方、記事の構成やタイトルについてなどなど、本当にほとんど文章を書いたことのない人にとっては右も左もわからないと思う。

作文や小論文とは違う、Webは最初から読まれることが前提の記事を書くのであって、ある程度「型」が決まっている。個人のブログのように好き勝手に書けるところはほとんどない。

読む人の関心を引くタイトルの付け方や読みやすい構成、言葉の言い回しや漢字の使い方まで、意外と細かいルールに支配されている。

そういうのをね、自分で一から勉強していくのと成功している人に教わるのでは、成長も効果が出るスピードもまったく違うよね。

もちろん私も最初はまったくの手探り状態で、起承転結や結論の書き方なんか考える日々の連続だった。

それでも、いきなり2000字のタスクなんかに応募していたのは、もともと長文を書くことが好きで、書いているうちに何となく「辻褄が合う」感じを知っていたから。

20代の頃に何年かやっていた「mixi」で、アホみたいに毎日恋愛やセックスについて投稿していた時期があって、そこで自然と身についた感覚だった。

思ったことや考えたことを言葉にすることに慣れていたから、純粋に「書く」ことに関しては初心者ではなかった。

ただ、「Webライター」なら必ず知っておくべきのSEOの知識だとかNGワードだとか、そういうものが皆無だったので、そこの勉強に手間取っていた感じです。

私が入会したサロンはひとつ、Webメディア「灯台もと暮らし」の編集長、伊佐知美さんが主催されていた「編集女子が”私らしく生きるため”のライティング作戦会議」で、こちらで主にライターとしての稼ぎ方などを学んでいました。

「誰かのサロンに入っていますか?」って質問が来るのは、もしかしたらサロンに入らないと自分には難しいと思っているからかもしれないけど、肝心なのは

いま、自分はどれだけ文章が書けるかを把握しておくこと。

だと思います。

基本的な「てにをは」の使い方や言葉の意味、語尾の言い回しや見出しの意味など、記事を構成する上で基本的な知識があるかどうか。

思いを形にすることがスムーズにできるかどうか。

こういうのね。

それと、忘れてはいけないのが

「サロン」に入れば誰でも成功できるわけではない。

ということ。

サロンに入会した人たちって、ツイッターでいつも拝見する方々もみんな総じて努力している。高いお金を払って学ぶんだから、それを活かせるよう自分でも必死に勉強するのは当たり前。そう感じる。

だからこそ成功するわけで。

「入れば何とかなるだろ」って甘いもんじゃないよね。お金を稼ぐのが簡単なはずがない。

良いクライアントの見分け方やストレスのないコミュニケーションの取り方なんかも教えてもらえるし、最短で稼ぎたいなら実績のある人のもとで勉強することは大きな糧になると思います。

でも、最後は自分の力。クラウドソーシングやメディアで稼ぐライターになるなら、いかに自分の力を伸ばす努力ができるかが肝になることは、私自身実感しています。

 

語彙は読書から学んだ

「筆力が高い」って言葉があるんだけど、「筆力」ってすなわち「表現力」だよね。

コラムだけじゃない、エッセイであれ小説であれ、「表現の幅が広い」のは「語彙が豊富」であることと同じ。

この年末年始、ずっと執筆させていただいている「OTONA SALONE」で「不倫の精算」という特集があり、そこで初めてルポルタージュ風の書き方を提案された。

・いま、40代の「結婚」が変わってきたのかも-不倫、浮気、婚外恋愛事情|OTONA SALONE

こちらで6本ほど書いたんだけど、楽しくて仕方なかった。

普段「です・ます」調で書くことが多く、なるべく柔らかい文調になるように意識しているんだけど、その制限を取り払ったときの開放感はまた違う勢いを与えてくれた。

・そう、私が欲しかったのは旦那じゃなくて「彼氏」【不倫の精算4】|OTONA SALONE

・【不倫の清算5】「仮面妻」の孤独。40代女性がハマるニセの愛|OTONA SALONE

が。

まだまだ自分は表現の幅が狭い、語尾の言い回しがくどい、と改めて壁を感じた時間でもありました。

改行とかもセンスなんだよね。私の場合、自分ではこの流れが良い、と思っても結構編集で直されたりするので、自分の書き方と読む側に違和感のない流れをもっと融合させないかん、というのが目下の課題です。

良かったら読んでね。いつも通り渾身の力で書いてます。

「語彙」は読書から得ました。中学時代に文字通り貪るように読みふけった山田詠美、夏樹静子、高校では内田康夫に島田荘司、綾辻行人、そして大学に入ってから出会った京極夏彦。

好きな作家さんの表現力は、私の体の底まで染み渡っている、と今も思う。

こういうのって、「覚える」んじゃないんだよね。ただ「感じる」もの。愛おしかったりせつなかったり、そのとき私の心を埋め尽くした感情が、そのまま今の語彙につながっています。

だからね、読書はおすすめです。

好きな作家さんの本を読もう。私の枕元にはもう何十年も「巷説百物語」「絡新婦の理」「ぼくは勉強ができない」「十角館の殺人」が変わらず並んでいる。

 

「文章術」は誰から学ぶべきなのか

好きな作家さんであれビジネス書であれ、本であれ雑誌であれ、ネットであれ、結局文章術って「人」から学ぶんだと思う。

友人や家族など身近な人でも同じ。目で見る、耳で聞く、どれも「触れる」ことには変わらない。

心の琴線に触れる言葉は消えない。必ず意識にすり込まれて、それがふとした瞬間に浮かんでくる。

書こうとするとき、人は自分が居心地の良い言葉を使う。その表現の幅は身についたものからしか出ない。

機微を細かく描いてみたり、感情を排した事実だけを述べたり、いずれにせよそれは自分が得た言葉でしか表現できないからね。

そして、自分でも組み立てていく。オリジナルの表現が出て来る瞬間の感動って、しみじみ幸せだと思う。

記事の構成を考えたりタイトルや見出しから本文につなげていくスキルも、表現力のひとつ。

学ぶほど、吸収していくほど、咀嚼して骨身になっていずれ良いものとして出て来る、と信じています。

 

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