
さて。
今日は、海上自衛隊のイベントで掃海母艦「うらが」と掃海艦「はちじょう」に乗ってきました。
本当は掃海艇「はつしま」もあったんだけど、こちらは時間の都合で乗れなかった。
メインは「はちじょう」の中でいただくランチ。と、艦の説明。
ランチのメニューはカレーです!

「掃海母艦」「掃海艦」は海のお掃除をしてくれる

写真は「うらが」。
そもそも、「掃海母艦」とか「掃海艦」ってなに?ってところから。
掃海母艦とは、簡単に言うと海上自衛隊の中でも第二次世界大戦後も日本の領海に残っている機雷(爆弾)を探し、見つけたら処理する役割を担っています。航路の啓開業務も行っています。
今日高知新港に停泊していたのは「うらが型掃海母艦」の1番艦「うらが」と、「やえやま型掃海艦」の3番艦「はちじょう」、「えのしま型掃海艇」の3番艇「はつしま」。
これらは「機雷戦部隊」と呼ばれ、「うらが」や「はちじょう」を含む「掃海隊群」と「はつしま」などを含む地方隊から編成されています。
機雷処理のほかにも、災害が起こった時は被災地に派遣されます。5年前の東日本大震災でも、支援物資を運んだり人命救助の目的で行っていたそうです。
日本の海を守ってくれるでっかい艦隊ながやね。
目の前にした「うらが」はとにかく大きくて迫力があって、ほんま映画で観る「母艦」でした。ランチは「はつしま」で食べたんだけど、こちらも相当広かった。
船とか滅多に乗らないから新鮮!
「毎週金曜日はカレーの日」

まずはタラップを登って「うらが」に乗船、中を通り抜けて隣に停泊している「はちじょう」へ移動。
タラップの周辺では制服をビシっと着こなした隊員の方々に次々と挨拶され、初めてセーラー姿の水兵さんも目にすることができた。
「はちじょう」に乗り込んだら食堂へ。艦内の説明の前にカレーをいただきました。

こんなアルミ製のお皿を取り、

でっかい炊飯器からご飯をよそい、

サラダもしっかり取って(今日はエビカツとマンゴーもあったよ!)、カレーをかける(写真なし)。

牛乳とナンもあるよ!
いただく前に、今日このカレーを作った隊員の方からご挨拶。
「えー、今日は一般の方々に召し上がっていただくということで、甘めにしてみました!」
と緊張した顔で仰っていたけど、
・・・・辛いよ!(;・∀・)
一緒だった友達も辛いって言いよったけど、一緒のテーブルで食べていた隊員さんに訊いてみると普段はもっと辛口なんだそう。

・・・辛口がお好きな隊員さんがいらっしゃるそうです。
で、「毎週金曜日はカレーの日」ながやって。
以前テレビでも聞いたことがあったんだけど、本当に「海の上にいると曜日の感覚が分からなくなる。だからカレーを食べた日から何日とかって数えます」と笑顔で言われた時は驚いた。
そうかぁ、決して変化のない日々じゃないろうけど、地上とは生活がまったく違うもんなぁ、と感慨深かった。
一般的な家庭で出るような、じゃがいもや人参、玉ねぎにお肉の入ったカレー、辛いけどよく煮込んであって美味しかった。
・・・じゃがいもがね、かっちり四角形に切られていたのは気の所為ながでね、きっとね。
ちなみに、お皿はテーブルに置いても滑らない。簡単な作りの椅子も、足にすべり止めが施してある。
「海自の仕事は手当の種類が多くて、新人でも手取りのお給料がいいんです」とか「セーラーはイギリス軍のマネをしたそうです」とか、興味深い話がたくさん聞けて楽しかった。
「赤い椅子」は上官専用
食べ終わったら艦内の説明へ。

居住区というか、隊員さんの部屋は作り付けの2段ベッドが3つほど置いてあって、ぞんがい狭い。
私物を置くスペースがほとんどない。「プライベートはベッドにカーテンがあるくらいですよ」と笑っていらしたけど、ストイックな暮らしながやなと思った。
司令官など階級が上の人たちは2人部屋だったり個室だったりします。

これは司令官の部屋だったろうか。
この時聞いたのが、「艦内はほとんど木材を使っています」という話。
鉄など磁石に反応する材質を使うと、海中にある機雷が反応してしまうそう。だから可能な限り木材を使ってるんだって。
甲板も木の板にペイントしてある(いやもっと頑丈ながやと思うけんど)。

「はちじょう」には、前甲板にJM-61-M20mm多銃身機銃が1基装備されています。バルカン砲・・・!!
これは、海中から浮いてきた機雷を水上で爆発させるのが目的で、隊員さんが手動で撃つんだそうです。

これも近くで見ると迫力あるよ。

乗船してすぐ気がついたんだけど、結構揺れる。
足元が動くほどなんだけど、隊員さんが仰るには「今日は3度の傾きですね」とのこと。
最高40度の揺れを感じた時はベッドではなく壁で寝ていたそうで、空のベッドを見て「幽体離脱したかと思いました」って、本人が移動してるんだからそれは幽体離脱じゃないよ!

機関室も案内してもらった。
いろんな計器類があるんだけど、テープで留めてあるんだね。今日はね。


「子どもでも簡単に回せます」
「面舵いっぱーい」のハンドル、確かにめっさ軽かった。こんな簡単に回せていいの?って感じ。
これが使えなくなった時はちゃんと予備があって(上にある赤と緑のマークがついたやつ)、さらにまだ予備が用意されているそう。

これもイギリス軍の真似をした名残りのラッパ。
今は起床時などに使う笛はほかのものがあって、イベントの時とかに出番がくるそうです。
「一番古いラッパはなぜか陸自にあります」
ていう言葉がおかしかった。

機関室の左にある赤い椅子。
これは一番偉い人(大佐って仰ってたかな)のみが座れるそうで、「ほかの隊員は立ちっぱなし」で仕事するそうです。
赤い椅子の前にある丸い窓は、
「はちじょうは艦が小さいので波などを受けやすい。丸い窓のところだけはすぐ拭いて視界が塞がれないようにしています」
とのことだった。「うらが」など大きな艦は波を受けないのでワイパーだけなんだとか(後で確認したら本当にそうだった)。

で、私たち一般人は座らせてもらいました。・・・いいのか?

機関室の隣のデッキには左右に望遠鏡があって、桂浜を捉えることが出来ました。


この方は潜水任務のプロだそうで、今までのお給料は「1000万を超えます」にびっくり。
「普段から潜っているので、プライベートではよっぽど綺麗な海じゃないと潜る気になれないんです」って、そうやろなぁ(;・∀・)
独身で彼女募集中だよ!語り口が面白くて懐の広そうな人だったよ!
この方のおかげでとても楽しい時間だった。


機雷処理に使うあれこれは、とにかくどれも大きい。
こんなでっかいのをリモートで動かすんだもんなぁ、カメラ付きなんだって。
「はちじょう」はこれで終わり。
いったん下船してから「うらが」に再び乗り込みました。
有線も流れる「うらが」

写真は、どこかの取材を受ける「爆発物処理班」の隊員さん。
「うらが」は甲板のみ公開で、艦内には入れませんでした。
さすがに母艦やもんね、乗れるだけでも嬉しい。

ロープで制限がしてあって先端までは行けなかったけど、ヘリコプターも降りてくる広い甲板。

実際の機雷が置いてあって(火薬は抜いています)、隊員さんがしっかり説明してくださった。
水圧や音響、磁場の変化に反応して爆発する機雷、水圧だけは何でもきっかけになってしまうので意図しない爆発を誘うとかで、「水圧のみに反応する機雷は使わない」ことが世界条約で決まっているそうです。

「グランド・ターゲット」略してグラタン!「食べられません!!」って何さ一体!!
機雷を探す時に使うもの。


こんまいボートもくくりつけられてます。

「うらが」から「はちじょう」を見るとこんな感じ。
んー、「はちじょう」も十分でっかいけどな、「うらが」はもう大きすぎて感覚が分からんなる。
で、「うらが」には有線が流れていた。これもびっくり。
隊員さんたちに感謝

ちょっとブレた。
本当は今日は息子も連れてくる予定だったんだけど、ランチのメニューがカレーのみなことと艦内の移動が不安ということで、私のみの参加になった。
でも、来てみて正解、息子がおったら大変やったと思う。
「はちじょう」にしろ「うらが」にしろ、艦内の階段が恐ろしく急勾配な上に狭いのね。
大人ひとりがやっと通れる幅で足場も狭く、登る時にスネを何度もぶつけたけど降りる時もまた怖い。
写真を撮れなかったのはそんな余裕がなかったからなんだけど、特に「うらが」なんて移動で何度もこの階段を使うことになって、なかなか体力を使った。
赤ちゃんを抱っこして昇り降りらぁ無理やわ。
こんな環境で、「うらが」には女性の隊員さんの姿も見えたけど、生活するのは大変ながやろうなと思う。
船の中で何ヶ月も仕事するって、正直想像がつかない。
でも勤務の内容は国の安全に関わる重要なことだし、隊員の皆さんには本当に感謝しなくちゃと思う。
機雷の処理っていろんなパターンがあって大変だよな・・・。
「例えばいま機雷がないとしても、いつ有事が発生するか分からない。その時に対処出来なかったら安全が脅かされる。だから処理する技術はずっと伝えていきます」
という言葉がとても力強かった。
有事なんてあったらいかんけど、高知だって大地震がくる言われゆうもんね、油断は禁物。
災害の時だって、この人たちは自分たちの身を顧みず救助に向かうんだ。
今日は貴重な時間を過ごすことが出来ました。
「金曜日はカレーの日」、今日は水曜日なのにカレーをいただけたことに感謝です。
ありがとうございました!
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