次のアクションを相手に取らせたがる男性の下心

さて。

先日「DRESS」で公開した記事。

・未練がましい男性ほど、次の行動を元カノに取らせたがる

おかげさまで多くの方に読まれております、ありがとうございます<(_ _)>

初速のある記事は、それだけ女性の関心が強いんだなーと思います。

今回の記事は、私の周りでもよく聞く「いきなり謝られたんだけど、元カレは何を考えているの？」というもの。

まず考えて欲しいのは、

今後関わる気を持てない人間に対して謝罪しようなど思わない。

コレね。

私自身がそうなんだけど、別れて関心を失くした相手に謝ろうなんてこれっぽっちも思わない。

だって、謝罪するっていうのは、「自分を許して欲しい」気持ちがあるからでしょ？

許しを得てどうするの？

別に相手が怒りを抱えていようがどうしていようが、自分が関心を向けていないならどうでも良くない？

許されたい、と思うのはなぜなのか。

自分を改めて受け入れて欲しいから。これが謝罪の裏にある本音。

「やり直したい」とは言えないプライドの厄介さ

こういう連絡を実際にしてしまった何人かの男性に話を聞けたけど、全員が「返事があることを期待した」と答えていた。

それが本音だよね。

本気で「謝るだけで気が済んだ」なんて男、賭けてもいいけどいないと思う。

もともと人に頭を下げることが苦手なのは、圧倒的に男性に多い。それは屈辱だから。自分が相手の中で軽んじられることになるから。

だから、こと好きな女性に対しては、余計に言いづらくなる。自分が悪いとわかっていてもね。

好きな女には、男らしい自分でありたいと願う。それが、「非を認める自分はダサくてカッコ悪い」につながる。

それを曲げてね、別れたあと謝罪するっていうのは、もう「今でもあなたを愛しているんです」と同義語くらいの意味なんだと思う。

結局、耐えられなくなるんだろうね。喪失感やら虚無感やら、強がって別れを受け入れていた表の自分が崩れて、本当は元カノが恋しくて仕方ない自分を目の当たりにする瞬間。

そのときになってやっと、元カノに連絡する決心がつく。

それでも、素直に「やり直したい」とは言えないんだよ。それがギリギリのプライド。

だって、受け入れてもらえなかったら？　「ごめん無理」って言われたら？

その可能性がある限り、あえて恥をかくのは避けたいと思うのが男心。二度も好きな女性に振られるなんて、しんどいもんねぇ。

だから出てくるフレーズが「ごめんなさい」になる。

下手に出ることが精一杯のアピールなんだよ。反省しているっていう。

繰り返すけど、何とも思っていない相手にわざわざ謝罪なんてしない。

本当に憎まれていると思ったら、そもそも連絡する気なんて起きない。これ以上自分の価値が下がらないように黙って引き下がるのが普通の心理。

わざわざ「俺のこと憎いだろうけど」「嫌いかもしれないけど」って書くのはね、ただの防御線なんだよ。あらかじめそう書いておくことで、元カノの感情を少しでも和らげたい下心。これも実際に聞いた。

そこまでしてでも、取り戻したい元カノの心。

でも、そこには別の下心がある。

「俺のほうから謝ったんだから、次の行動はそちらが取るべきだ」

肝心なことは何も伝えていない。本心の「よりを戻したい」はどこにも書いていない。それでも。

一方的な謝罪。言いっぱなしで終わらせるずるさ。それは、すべて相手に次の行動を起こさせるため。

俺のことがまだ好きなら、返信をくれるだろう。「ありがとう」と連絡があるだろう。

これが願い。

もちろん、「迷惑だからこれ以上連絡してこないで」と返ってくる可能性だって考えている。

でもそのときは、諦めがつく。そこでやっと「謝れたんだから」気が済んだと、自分を慰めることができる。

自分に自信のない男性、自分の本音と向き合えない弱い男性の場合は、「謝ったのに受け入れてくれなかった相手は心が狭い人間」と元カノを悪者にすることで無理矢理に納得する道を選ぶ。それしかないからね。

どちらにせよ、明確な答えが欲しいんだよね。何らかのアクションを願う。それが元カノが自分に対する関心の度合いだとわかるから。

スルーが一番しんどいだろうけど、それはつまり「あなたに関わる気はありません」って無言の返信だからね。キツいだろうなと思う。

素直に「やり直したい」って言えればいいんだろうけど、その決定打は打てないんだよ。できれば元カノのほうからその打診をして欲しい。

自分はきっかけを与えたんだから、次の行動は元カノが起こすべき。それはね、裏を返せば「自分に関わってきて欲しくてたまらない」ということ。

自分にまだ思いを残すあなたが見たい。あなたも俺に未練を持っていて欲しい。そんな切実な願いなんだと思う。

私も先日こんな連絡を友人だった男性からもらったけど、安全地帯から小石を投げてこちらの反応をうかがう姿にうんざりして無視していた。

でも、親友に「この人はこれからもずっと引きずるだろうから、関わる気がないなら引導を渡してやれ」と言われて丁寧に返信したよ。

「私の中に自分への気持ちがあるかどうかを気にするより、ご自分が私のことをどう思っているか、もう一度考えてみてください」。

これが真理。

たぶん、相手は予想外の返事がきて面食らったと思う。「連絡ありがとう」と私が返してくることを期待していただろうけど、自分の本心から逃げ続ける姿勢を言い当てられて焦っただろう。

同時に、私の覚悟も。本音を隠したまま私から近寄ってくることを待っていても無駄なんだと、改めて私の立ち位置を見た思いがしたはず。

欲しければ、手を伸ばせ。

元カレからの下心にあたたかい気持ちで向き合えないときは、こんな対応もアリなんだと、相談してきた女性には伝えています。

それで引くならその程度のもの。

もちろん、応えることだってできる。自分も未練があるのなら、「私もごめんなさい」と伝えれば、新しい関係を始められる。

きっとそれを元カレも望んでいるからね。

女性にできるのは、まず男性が自負を曲げてまで自分に謝ることの大きさをしっかり受け止めてあげること。

その上で、次のアクションを求められていると理解すること。

どう対応するのも自分次第。無理ならもちろんスルーでも構わない。一方的な連絡にわざわざ返信する義務なんてない。

返したい、と思ったら。

一番NGなのは、記事にも書いているけど相手の男性を追い詰めること。

「それで？」「何が言いたいの？」とか、男性の謝りたい心を否定するような言い方はできれば控えましょう。かわいそうだから。

こんな言葉が返ってきたら、男性はまず連絡したことを後悔します。「こんな女だったのか」なんて、わざわざ自分の価値を下げる必要はありません。

自分も未練を持っていて、やった元カレのほうからLINEがきた！　と舞い上がったとしても、一旦は冷静になって元カレの気持ちを考えましょう。

どう返せば、彼が本音を話してくれるか。うかつに浮かれた自分を見せてしまったら、調子に乗って自分のペースに持っていこうとする男性も少なからずいます。

謝罪があったときは、ある意味元カレの心が最大限開いているとき。自分を受け入れて欲しいという本音が透けて見えるとき。

それを忘れずに、元カレと正しい距離感で向き合えるように、落ち着いて対応してくださいね。

私のように、相手の姿勢をツッコむやり方はくれぐれもどんな人かを見極めて。これは相手が逃げ続けているとわかっているから出来ることであって、男性によっては本音を突かれたことでプライドを傷つけられて、だんまりを決め込む人もいます。

本音を暴く言葉は両刃の剣。こちらにも相応の覚悟が必要です。

ともあれ。

無関心ならわざわざ男性は謝罪なんてしない。

これを覚えておいてくださいね。

＊ 「DRESS」1月大特集「疲れない出会い」に参加しています。恋愛との向き合い方についていろんなライターさんが記事を書いているので、ぜひ読んでみてください！

・１月大特集「疲れない出会い」

・ひろた かおりの記事：「出会い」という言葉と距離をおいて気持ちを楽にする