私の周りでも話題になっているドラマ「あなたのことはそれほど」、まったく観ていないんだけど、既婚の友人からは「リアルすぎる」、独身の友人からは「ありえない」などなど、いろんな声が聞こえて面白い。
W不倫かぁ、おそらく一生経験することはないなぁ・・・。
私自身は、結婚するならやっぱり「一番好きな人」がいいと思う。
なぜか。
「後悔しないから」
それだけのこと。
ほかの男を思い浮かべることほど、結婚生活で不毛なものはない

私自身は「そのとき一番好きな人」と結婚した。つまり、今の主人。
あまり結婚願望はなかったんだけど、入籍するまでの交際期間3年ほど、「結婚するならこの人しかないなぁ」とはぼんやりと考えていた。
お付き合いが始まったと同時に私の関節性リウマチが完全に発症してしまい、いろいろな苦労をかけた。
私自身が病気について受け入れることが難しく、身体の痛みに耐えきれなくて月に何度も病院に通い、効かない痛み止めを飲んではストレスからイライラし、当時まだ「彼氏」だった夫にはつらい思いをさせてしまった。
それでも、「自然妊娠は難しい」と主治医に言われても、私を嫁にすることを決めてくれた人。
なんだかんだでもう10年一緒にいる。ここまで長く一緒に過ごす異性は初めてで、「結婚生活なんて続けられるだろうか」と思っていた私でも何とかなっている。
結局、「相性が良い」んだと思う。
同じような朝型人間で夜更かしはほとんどしない、自分の身の回りのことはある程度できるし、放っておいても一人で起きて会社に行き、帰ってくれば私のご飯を「美味しい」と言いながら食べてくれる。
生活のリズムが合うのは一緒に暮らす上で本当に大切だと今も思うんだけど、口にしなくてもお互いの行動を予想できるので先回りすることも可能、また代わりを任せることもできる。
我が家にはいろいろな習慣があるんだけど、息子が生まれる前も、生まれてからも変わらないのは、必ず主人が出勤するときは玄関で見送ること。
「行ってらっしゃい」と笑顔で送り出すことは、私の中で「さぁ私の時間が始まるぞ」という区切りになっていて、主人が出ていくと洗濯や掃除などまず家事を済ませ、それからあったかいカフェオレを淹れ直してパソコンの前に座るリズムが出来上がっている。
「相性が良い」のは、つまり「日々をストレスなく過ごせること」。
「日々をストレスなく過ごせる」のは、主人が「最愛の人」だから。
不満がないわけではない。服を裏返しで適当に洗濯機に放り込むことは止めて欲しいし、平気でおならをするのも腹が立つし、外食のときに値段も考えずに高いメニューを頼もうとするところも困る。
それでも。
「一番好きな人」だから、「イヤだなぁ」と思ってもほかの誰かを思い浮かべることはない。
「あの人だったら」
などと、ほかの男を思い浮かべることほど、結婚生活で不毛なものはないと思う。
実際にそうはならないのに、妄想に逃げてどうする。それは一緒の「あてつけ」に近いのかもしれないけど、何の解決にもならないし、現実を見れば虚しくなるだけだ。
「2番めに好きな人と結婚すること」って、要はそういうことだよね。
自分の中で「この人より上がいる」状態で結婚してしまうと、何かでつまづいたときに必ず夫を心の中で貶めることになる。
それは、「あなたのことはそれほど好きでもない」から、許してあげるわよ、と。
私の中にはあなたよりいい人がいるから平気よ、と。
夫にしてみれば、最大の侮辱ではないかと思う。
実例を知っている。
2番めだかどうかは知らないが、「そこまで好きでもなかった人」と結婚してしまった、と嘆いていた女性がいた。
何か不満があれば夫を責め、そのくせ子どもは作り、生まれてからは子どもを味方につけて夫をないがしろにする。
「一番好きだった」元彼と隠れて連絡を取り、私たち友人に堂々と「夫より心が開ける」と話していた。
ずっと離婚したかったが経済的な理由で難しかったらしく、「我慢を続けながら」夫に離婚話を繰り返し、根負けした夫が承諾した次の日に離婚届を提出。
シングルマザーとなってからは「次に養ってくれる人」として再婚相手を探し、目をつけた若い男性に猛アタック、落としたあとはさっさと籍を入れる。
彼女は、知り合ってからずっと、まったく幸せな状態を見ることがなかった。
いつでも悩みを抱え、その度に夫に隠れて元彼を頼り、「子どもが一番大事」と言いながら行動はすべて自分の気持ちが中心。
そんな彼女から人が離れていくのは至極当然で、最終的に彼女の周りには私も含め誰もいなくなってしまった。
離婚された夫は、どんな気持ちだっただろうか。
愛されていないだけならまだしも、「あなたのせいで」と責められる生活は、どれほど苦しかっただろうか。
自分に隠れて妻が別れた恋人と連絡を取り合い、こそこそと会っている事実をもし知れば、どれほど傷ついただろうか。
彼女は結局、再婚相手ともうまくいかずに数年後には離婚するんだけど、そのときも相手の男性は執拗に責められていたのを知っている。
彼女と子どものために一生懸命働き、趣味も犠牲にして毎日を頑張っていた男性は、離婚後は精神的にひどく落ちこんでしまっていた。
「2番めに好きな人と結婚すること」って、そうやって苦しいときの逃げ場があるもんだから、肝心な夫と向き合えずに事態は悪化するだけなんだよね。
安全地帯にいる「一番好きな人」。肉体関係を持たなければ確かに明確な不倫にはならないけど、心がそちらに向けば、家庭はどうしても疎かになる。
彼女は、「元彼が私のことを一番理解してくれている」と繰り返し言っていた。じゃぁなぜその人と結婚しなかったのか。結婚できない理由があったなら、ほかの人と入籍しなくても独身を貫く生き方だってあったはずだ。
別の人と結婚するなら、どうして元彼との関係を断ち切らなかったのか。
彼女は気がついていない。
そうやって都合良く利用されている元彼こそ、一番ないがしろにされ、貶められた存在になっていることを。
「1番」に据え置かれたまま、既婚者となった元彼女に縛られ、新しい健全な関係を築けない。
頼られれば頼られるほど、「尊重されない存在」になっていく。依存は関係の変化を許さない。彼は彼女がつらいときに利用される存在であって、彼女が自分のために何かをしてくれることはない。
不倫という人の道に外れた関係を持ったとしても、プラトニックな間柄であっても、いずれ「不毛」であることに変わりはない。
彼女の都合に巻き込まれるけど、表に出せないつながりなら関わりたいと思ってもそれすらできないのだ。
そんな関係で。
誰が幸せになれるのだろうか。
「2番め」は「2番め」でしかない

先の彼女の例でも思うのは、「2番めは2番めでしかない」ということだ。
だから簡単に関係は綻びるし、「最愛の人」を優先されてつらい役回りを演じることになる。
妻がね、自分以外の男性に心を開いている状態っていうのは、やっぱり伝わると思うんだよね。
私は、そんな思いを夫にさせたくない。
結婚を後悔して欲しくない。
そして私も、この結婚を後悔したくない。
一生添い遂げると誓い合うのが結婚なら、やっぱり「最愛の人」がいい。
夫婦関係に悩むことだって、苦しむときだってある。他者との関わりがいつも幸せだけで進むわけじゃない。
だからこそ。
目をそらさずに、夫を見つめていたいと思う。
夫と一緒に前を向いていたいと思う。
そういう夫婦である私たちを、息子にも見て欲しい。
明日お休みになった夫にランチデートに誘われながら、そんなことを考えていた。
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