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好きな女性を「支配」したがる男性は多い。

支配といってもいろいろな形があるが、自分に自信のない男性ほど、ネガティブな感情から女性が離れていくことを許さない。

よくあるのが、

「ほかに気になる女性がいる」

と言って焦りを持たせようとしたり、

「別れてもいいんだよ?」

とすぐに別れ話を持ち出すことで、悪いのは自分と思い込ませようとしたり。

真っ当な愛情を持って相手と向き合えないのが最大の弱さ。

ただ「好きだ」と伝えていれば女性は安心するのに、それがわからない。

とにかく自分が優位でないとダメなのだ。

相手の女性のことが好きであればあるほど、失ったときの恐怖が無意識に襲ってくる。

愛されていたい。別れないで欲しい。嫌いにならないで欲しい。

普通に過ごしていても、どこかで自分に不安を抱えている。

そこまで好きでもない相手なら、支配したいとも思わないのだ。そもそも、中途半端な気持ちでは女性と関われない弱い男性は、一途な分相手にも同じ量の愛情を要求するから、自分の思うように縛りたい欲が消えない。

でも、その脆さを女性に知られるのだけは避けたいとも思っている。

虚勢を張り、つらい気持ちも堪えて伝えることを我慢し、常に「平気な自分」を演出する。そうでないと心がもたない。本当の自分なんて見せたら絶対嫌われる。

こんな不安。

優位を保ちたい裏には、何にも裏打ちされていないハリボテの自信しかない。

ただ、好きな女性が愛してくれているという事実だけ。

そこに必死にしがみつきながらも、いつか捨てられる恐怖から相手を縛らずにはいられないのだ。

すぐに「別れようか?」と脅すのは、「俺をいつも安心させてくれ」という切羽詰まった欲求があるから。

試すことで、女性の気持ちを測らずにはいられない。

傷つけないと相手の愛情を信じられないなんて、どんだけ不幸なんだろうとも思う。

女性側の痛みなどまったく無視して、ただ自分の満足だけを追う姿は、いっそ壊滅的でもある。

それでも。

自分の心を保つためには、相手に満たしてもらわないといけない。

自分では上手く扱えない心。こんなことしていたらいつか本当に捨てられるとわかっていても、己の苦しみとどう向き合えば良いのかわからないから、相手に求めるしかない。

お前が俺を満足させろと。

お前には俺を安心させる義務があるんだと。

それがお前の責任だと。

これが「支配」の正体。

過去、こんな男を好きになったことがあるが、彼は自分の愛情を私に伝えることにずっと怯え続けていた。

受け入れてもらえなかったら。

「私も愛してる」と言われても、心変わりしてしまったら。

だから言えない。

そして私も、そんな彼に心を尽くすことを止めてしまった。

好きだと言わないような男に、一途になることも操を立てる必要もない。

常に別の女性の存在をチラつかせながら私の愛情を試し続けてきた彼は、同じようにセックスのあと簡単に別の男の名前を口にする私に、何度も絶望しただろう。

でも、それに傷ついたともやめてくれとも言えないのだ。だって自分がそうだから。私だけでない自分を見せ続けているのに、不満を口にできるはずがない。

そうしてどんどん歪んでいく。

私がほかの男と親密になればなるほど、自分も別の女性を愛しているとアピールする。私に愛されないのに愛情を向けてしまうことが怖くて、何とか自分の心を押し込めようとする。

無理にほかの女性に思いを向けても、結局私の元に戻ってしまう虚しさとたたかいながら、最後まで素直になることができなかった。

私を「支配」するつもりが、逆に自分が縛られる。

不自由になる。

たった一言、「好きだ」と伝えてもらえれば、私はほかの男などすべて捨てた。

まっすぐに心が結ばれる瞬間さえあれば、彼を信じることができた。

私もずっと自分のねじれた心と格闘し続けていた。彼を愛する気持ちと、私だけを見ようとしない彼の歪んだ愛情と、どう向き合えば良いのかわからずに自分を見失ったままだった。

それでも、心に従うしかない流れは必ず訪れる。彼がどうであれ愛してしまう自分を何度も目の当たりにしながら、その先の暗い結末に怯えて逃げ続けていた。

そして、最後は私のほうから別れを切り出した。これ以上はまともな関係を維持するのは無理だろうと、いびつな心で頑張った末の結末だった。

その決断に今も後悔はないが、彼の「支配」が及ばない世界に戻ってから、その開放感にまず圧倒された。

あぁ、これが普通の感情なんだよなぁ、と。

弱いゆえに自己愛が強く、他人の気持ちを考えることができない人は大勢いるだろう。

それは良い悪いではなく、ある意味どうしようもないことだと言える。

それが当人の住む世界であって、そこしか知らなければ自分なりに満足するすべを得ていくしかない。

当たり前の、素直に愛情を伝え合うことの喜びも幸せもある世界は、本人が望まない限り手に入らない。

誰かに与えてもらうものでもなければ、努力せずに手に入るものでもないのだ。

だから愛情は尊い。

人から愛されることは奇跡。

それを知らずに生きていく道だって、みずから選んだもの。

「支配」したがる男性の本当の弱さは、自分を愛せないこと。真っ当な愛情を持って相手と向き合えないこと。

ただ「好きだ」と伝える勇気は、まず愛情を抱える自分を認めることから始まる。

 

■ すぐに「別れよう」と言う男の間違った愛情表現。
■ 「自分なんて愛されなくて当然」という人が本当に失っていくもの
■ 好きな人の「弱さ」をどこまで許せるか

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